ネタバレありの映画批評 ムービー・インプレッションズ

メン・イン・ブラック3

2012年 アメリカ 108分

監督:バリー・ソネンフェルド
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス

 

ダメになるシリーズの路線を上向きに修正

前作の「キャスト・予算はA級、脚本B級」を反省したのかわからないが、「MIB3」はまとまりとある程度の深みのある脚本、冴えたギャグが織り込まれたおもしろい作品に仕上がっている。

Kがかつて投獄したボグロダイト星人ボリスが脱獄するところからストーリーははじまるのだが、事件の発端から展開、解決、ラストにいたるまでボリスが強敵としてきちんと物語に絡んでいる。(惜しむらくはなぜボリスが「アニマル・ボリス」と呼ばれるのを嫌がるのか、説明して欲しかったところだが)

このボリスを中心として物語はもつれていくのだが、それを解きほぐす過程でKとJの過去が少しずつ明らかになっていく。

Jの幼少期の秘密などはまあ、初期設定ではなく後付けのような気がしなくもないが、「ぴかっ」でお馴染みの記憶をなくさせるニューラライザーで父親が殺された直後の幼いJの記憶を消す辺りは、第一作から観ているファンであれば思わず納得してしまうシーンである。

また本作ではギャグがすこぶる快調だ。まとまりのあるストーリーをアッパーにする機能をきちんと果たしている。

例えば序盤でKとJが車の中で会話するシーン。会話の途中でOから無線が入り、「異星人が人間の内臓を食い荒らしている情報が入った」と伝えられる。通常の人間同士でこの内容を聞けば「なんだって?」「どういうことだ?」と狼狽すること必死だが、Kは軽く「了解」と答えるだけでまた二人の会話に戻る。お約束とはいえ、やはりこういったやり取りはおもしろい。

過去にタイムスリップすれば、お馴染みニューラライザーが部屋いっぱいの装置でばかでかかったり、Kが胸から取り出す無線機(携帯電話)が人の腕ぐらいある馬鹿でかいものだったり、どれもくすくすと笑ってしまう。

ヒットした第一作に続いた第二作が、「キャスト・予算はA級、脚本B級」とはすでに書いた。
これは下り坂となるシリーズ映画の一つの類型なのだが、「MIB」はそうなるであろう路線から上向きに修正したよい例だ。今後にも期待したい。(78点)

 

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