ネタバレありの映画批評 ムービー・インプレッションズ

ユー・ガット・メール

1998年 アメリカ 119分

監督:ノーラ・エフロン
出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン

 

トムとメグのメールを使った恋愛劇

タイトルと出演者を観ただけで内容がわかり、実際にその通りのストーリーがスクリーンで繰り広げられる、なんというか王道中の王道ラブコメディー。

もちろん監督・出演とも「めぐり逢えたら」と同じなので、観る側は皮肉じみたメッセージも悲惨な現実もまったく必要なし、偶然と奇跡と恋(愛では決してなく)に満ちたフワフワした物語を期待するし、また今作はその期待を見事に裏切らないストレートな出来栄えとなっている。

メールという、顔の見えない相手とコミュニケーションできる手段が新たに登場すれば、この映画のようにライバル会社の人間が実はメール相手だった、というプロットは容易に思いつけるというもの。

「街角/桃色(ピンク)の店」のリメイクであれ、それを誰よりも速く脚本におこし、適した配役で制作に取り掛かった時点でこの映画の成功は約束されたようなものだろう。

この映画の一番の肝はもちろん「メールの相手が実は〜だった!」という事実の気づきにある。
そこをいつもってくるか、そこに至るまでの過程をどのように描くかが物語を構築する上での脚本家の腕の見せ所となるだろうが、事実の気付きが最後の最後にくるのはよいとして、あれほどジョー(トム・ハンクス)のことを忌み嫌っていたキャスリーン(メグ・ライアン)が、彼に対して好感を抱いていく流れが強引。

歴史ある自分の店舗を廃業に追い込んだ張本人なのだから、心を許すまでにもっと精神的な葛藤があってしかるべきだ。
予定調和に満ちているので結果的に惹かれ合うのはわかっているが、観ていて感情移入できなかった。ラストシーンもロケーションは昼間の公園で特にロマンティックでもない。終盤は尻すぼみで終わった印象。(65点)

 

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