ネタバレありの映画批評 ムービー・インプレッションズ

ワルキューレ

2008年 アメリカ 120分

監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー、ネイサン・アレクサンダー
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー

 

実際に起こったナチス・ドイツのクーデターを描く

ブライアン・シンガーが贈る非SFの物語である。ユージュアル・サスペクツを観てこの監督に興味を持った人(私のことだ)は、かなりストライクに近い映画となるだろう。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツで実際に起こったクーデターを描く。結論から言うと、とてもおもしろい映画だった。「ナチス・ドイツ」「クーデター」といったキーワードからもわかるように、全編に渡って「死と隣り合わせ」の緊迫感のある映像が続く。

緩急があるからこそ観客は物語に引き込まれるものだ。一定の緊迫感が全編に渡って続けば観ている方の集中力が続かないようにも思えるが、はじまりから最後の処刑のシーンまでまさにあっという間だった。ここまで緊張感を保ったまま最後まで描ききる脚本は素晴らしいと思う。

ところで私は日本人だから、アメリカの俳優が同じ白人であるドイツ人を演じることに「さほど」違和感は感じない。ハリウッドの象徴的な存在であるトム・クルーズがドイツ人の主人公を演じることも、出演者全員が英語を話すことも、「それほどは」気にならなかった。

しかし、ドイツ人やアメリカ人はこの映画を観てどのように感じるのだろう。例えば中国人が戦時中の日本軍を描いた映画を中国人キャストで作り、すべての日本人役の会話が中国語でなされるとしたらどうだろう。おそらく我々日本人にとっては、日本を舞台にしているとはとても思えない違和感ありまくりの映画になるのではないか。

映画を観ながらそんな考えがずっと浮かんでいた。おもしろかったと書いておきながら今ひとつよい点数を付けなかったのは、そんな理由で100%物語に没頭できなかったからだ。(78点)

 

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