ネタバレありの映画批評 ムービー・インプレッションズ

イエスマン “YES”は人生のパスワード

2009年 アメリカ 104分

監督:ペイトン・リード
出演:ジム・キャリー、テレンス・スタンプ、ズーイー・デシャネル

 

一つの興味ある仮定が出発点。しかしご都合主義すぎ

たまに何にも考えなくても楽しめるあっけらかんとした映画を観たくなる。となると、必然的にハリウッド映画、それも娯楽重視の作品を選択することになるのだが、いかんせんそれらはできのよいものが少ない。

「軽く観れる」ということはストーリーが単純で重層的ではないということ。そういった映画は総じて、観終わったあとに余韻が何も残らないのだ。

もちろんそういったことを踏まえた上でこの「イエスマン」を観てみたのだが、あまりにも軽く、本当に何も残らなかった。こういう映画を作る人は、一体全体、観賞者をどこに連れて行こうとして作品を作るのだろう?

タイトルの通り、ジム・キャリー演じる主人公がなんにでも「イエス」と口にすることで人生を変えるという物語である。序盤は主人公の付き合いの悪さ、消極的がゆえ人生が負のスパイラルにおちいっているところをごくわかりやすく描く。半信半疑で参加した自己啓発セミナーで「何にでもイエスをいう」誓約を立てられ、その後人生が瞬く間に好転していく。

「もし何に対しても『イエス』と口にしたら、人生はどうなるか?」そういった一つの仮定から出発したであろうこの脚本。常に選択を迫られて生きている我々にとってそれは興味深いテーマであるが…。

セミナー出席のきっかけ、ヒロインとの出会い、人生の好転、そんなに単純でない人生、これらすべてが劇中であまりにも都合よく展開されて、頭の中はクエスチョンマークがつきっぱなし。

終盤、ヒロインと再度結ばれる場所も全然ロマンティックではなく、シチュエーションの必然性も感じられない。最後のオチに関してはセミナー主催者の背景がほとんど説明されないので、とってつけた感が凄まじかった。

観終わった後に観なきゃよかったと思うのだが、またしばらくするとこんな軽い映画を観たくなるだろう。(15点)

 

Pocket



1 / 212