ネタバレありの映画批評 ムービー・インプレッションズ

31年目の夫婦げんか

2012年 アメリカ 100分

監督:デヴィッド・フランケル

脚本:ヴァネッサ・テイラー

撮影:フロリアン・バルハウス

出演:メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ、スティーヴ・カレル
 

セックスレスな熟年夫婦の物悲しくなる物語

結婚して31年。子どもは独立して夫婦水入らずのはずが、寝室は別々、話すことも事務的なことばかり。もちろん性交渉は数年ない。そんな本当にどこにでも存在する熟年夫婦がトキメキを取り戻す物語。

正直言って、もっとほのぼのとしたハートウォーミングな映画を想像したのだが、結構しんどいストーリーであった。
オープニングに鏡で自分の姿を確認してトミー・リー・ジョーンズ扮するアーノルドの寝室へ夜這いに行くメリル・ストリープ。その姿が本当に老けていてしんどくて(もちろん役作りしてのことであるが)、あ、これは失敗したなとすぐに思った。

これは鑑賞する人の環境や状況によってかなり印象の変わる映画だ。結婚している熟年夫婦であればある程度身につまされるものがあるのかもしれないし、まさにセックスレスに悩んでいるのであれば学ぶものもたくさんあるのだろう。

かたや独身の人間であれば、「結婚て大変だね」と他人ごとにならざるを得ない。主人公の2人がもはや老人と言ってもいい風体なので、そこに肉体的な映像美はなく、扱っている題材とともにただただ物悲しくなるほかない。

プロットの骨子は、高額な料金を払ってカウンセリングを行う部分。出会ったときの印象、お互いに思っていること、最後にセックスしたのはいつか、本当はどんなことを望んでいるのか、などをカウンセラーに話す。その状況に沿って課題が出され、徐々にお互いがときめいていた時のことを思い出していく。

カウンセリングの途中でメリル・ストリープが、「もう一度、海辺で結婚式をあげたい」と自分の望みを話した時に、もはやエンディングのシーンは決まったのだ。後はそこに至るまでの過程を描くだけ。

うまくいきかけたがダメになり、結局はハッピーエンドできちんと着地。どうということのない作品だ。繰り返しになるが、境遇の違う人が見れば評価は変わるだろう。(60点)

 

Pocket